【東大生が解説】コロナウイルスの薬と発生の仕組みについて

コラム
スポンサーリンク

今回は東大で生物学を勉強していることを活かして、今話題のコロナウイルスについてわかる範囲で書いていきます。

前回は「コロナウイルスとSNSとの関係」をテーマに記事を書きました。

コロナウイルスがSNSと世界を蝕む?はこちら

今回のテーマは

  • コロナウイルスの発生の仕組み
  • コロナウイルスの薬の開発

メインテーマはコロナウイルスの薬について紹介しようと思いますが、まずはコロナウイルス発生の仕組みについて書いていこうと思います。

ではさっそく本題に入っていきましょう。

Turtle, Tortoise, Swim, Sea Turtle, Creature, Ocean

コロナウイルス発生の仕組み

まず、ウイルスがどう増殖するのか、そもそもウイルスとはなんなのか知っていますか?

前提として、ウイルスは生物の細胞を利用して自己複製します。

逆に言うと他の生物の細胞がない限り、ウイルスは自分自身を増やすことができません。

なので、一般的にはウイルスは非生物であると定義されます

人間は、人間さえいれば子孫を永遠に増やしていけますので、立派な生物と定義されます。

ちなみによく同じにされる、「菌」と「ウイルス」ですがこれらは全くの別物です。

菌は自分で増殖できるので生物(単細胞生物)ですが、ウイルスは上記のように自分では増えることができない非生物です。

そして、菌に対する薬(抗生剤や抗生物質)はたくさん開発されています。

しかし、ウイルスは菌に比べて大きさもかなり小さく(10分の1程度)、ウイルス薬はわずかしか開発されていません。(インフルエンザウイルスに対する薬、イナビル、リレンザなどが代表例)

また、一般的に風邪と言われる症状もウイルスが引き起こしています。

なので、風邪がすぐに治るような薬が市販で売っておらず、対症療法になるのが現実です。

例えば、咳が出るなら咳を抑える薬、頭痛がするなら頭痛を抑える薬が売っていますが、根本の風邪自体を治す薬はありません。

ウイルスとは
  • 自己複製できない非生物。
  • 菌とは違って、薬が開発されづらい。
  • 代表例として風邪やインフルエンザの原因である。

さて、ウイルスとはどういったものかなんとなく理解していただけたと思うので、次はウイルスの発生過程です。

ウイルスの増殖する仕組みは以下の3つを繰り返すことで行われます。

  • ウイルスが生物の細胞内に入る
  • 細胞内で増殖する
  • 細胞から放出され、それらがまた他の細胞に入る

この過程を繰り返すことで、ウイルスが体に入った時、私たちはしんどいと感じるようになります。

そして、コロナウイルスが発生したタイミングというのが、細胞内で増殖する時です。

増殖するためには遺伝情報を複製することが必要なのですが、その際に遺伝子が入れ替わったりすることで変異します。

塩基など聞いたことある方も多いと思いますが、それらが一つ変わったり、もしくはCH3の一つが取れたりするだけでウイルスの形質が変化します。

そしてその変異によって、人に対して害を与えるウイルスが定着したのが、今回のコロナウイルスだと考えられます。

簡単にいうとこんな感じです。

なので、これは人間にはどうしようもない部分ではあります。

これからも必ずこういった変異は起きますし、これが自然の摂理ですね。

起こったものはもうしょうがないとして、みなさんが気になるのは

いつコロナウイルスに対する薬が開発されるの?

ということだと思います。

Geese, Goose Family, Family, Goslings, Water, Swim

コロナウイルスについて

結論から言うと、コロナウイルスに対する薬の開発はおそらくかなり時間がかかると思われます。

一年は最低でもかかるのではないでしょうか?

その理由を簡単に述べると

  • ウイルスが生物でない。
  • ウイルスの侵入、増殖、放出を止めなければならない。

の2点となります。

ウイルスが生物でない

ウイルスが生物でない以上、生物を殺すプロセスの薬が使えないということになります。

菌に比べて相当小さいウイルスに狙いを定めた薬を作る、これだけでなかなか難しいのが直感的に理解できるのではないでしょうか?

これ以上は説明するとなると、僕自身もあまり理解できてない箇所も出てくるので今回は割愛します。

Squirrel, Rodent, Animal, Brown, Cold, Creature, Eat

ウイルスの侵入、増殖、放出を止める必要がある

ウイルスの侵入

ウイルスが細胞表面にあるタンパク質に近づいてドッキングする事で、細胞の内部に侵入することに成功します。

ちなみに細胞表面にあるタンパク質とは構造を持ったものなので、ウイルスの凹面がそこにガッチャンと連結する仕組みになっています。

それらをどうやって止めるかですが、インフルエンザウイルスではそのような侵入を止める薬が開発されています。

細胞表面にたどり着く前に、インフルエンザウイルスの凹面にハマってブロックする薬です。

その薬は「アマンダジン」と呼ばれるそうです。

ちなみに、その薬に対する耐性菌ができてしまったので今は実用性がありません。

話を戻すと、これらの今までで開発された薬をコロナウイルスに使うことはできません。

コロナウイルスとインフルエンザウイルスとでは、凹面の形が違うので同じ薬を使っても薬がうまくコロナウイルスを妨害することができません。

なので、コロナウイルスの凹面に対応した薬でなければ、侵入を防ぐことはできません。

Seagull, Nature, Animal, Bird, Wing, Float, Sky

ウイルスの増殖

ウイルスの増殖は、先ほども書いたように他の生物内で遺伝情報を複製することで行われます。

そしてその際にはタンパク質が必要となります。

そのタンパク質は、例えばRNA複製酵素等があるのですが、薬でそれを止めることで増殖を止めることができます。

インフルエンザだと「ファビピラミル」などがあるそうです。

Wolf, Coyote, Animal, Wildlife, Mammal, Predator

ウイルスの放出

ウイルスが倍々ゲームで増えることが、ウイルスが体に害悪である最大の理由です。

なのでウイルスが細胞の中で増えても、放出さえ防ぐことができれば水際対策として有効なわけです。

放出を防ぐことが一番効率がいいと言われるのはそれが理由でもあります。

ウイルスが放出される原因ですが、ウイルスの侵入の逆バージョンだと考えてもらうとわかりやすいです。

細胞の内側にあるタンパク質に、「ウイルスがもつタンパク質」が結合し、細胞の外に放出されます。

そして、この「ウイルスがもつタンパク質」にきっちり結合するような薬を見つける必要があります。

インフルエンザの場合、そのタンパク質は「ノイラミニダーゼ」と呼ばれ、それらを阻害する薬がよく知られる「イナビル」や「リレンザ」などです。

そのような薬を見つけることはかなり難しいです。

しかも、ウイルスを対策できる薬が人間にとって無害であるとは限りません。

薬を見つけることの大変さについては理解してもらえたと思います。

では、薬を見つける過程はどのようになっているのでしょうか?

Seal, Sea Lion, Robbe, Meeresbewohner, Water

薬を見つける方法

まず、たくさんの薬物をウイルスにかけて、活性が止まったものを調べていくという数撃ちゃ当たる戦法で探す「スクリーニング」と言われる方法があります。

そして、それが薬物としてしっかり効果的なのか、人間に害はないのか等を臨床試験をしてから初めて私たちの手に渡るようになります。

もう一つは、先ほど紹介した細胞の内側にくっつくウイルスのタンパク質の構造を調べるということです。

先ほどのインフルエンザでいうところの、「ノイラミニダーゼ」の構造を分子レベルで決定すると、それに対してどんなタンパク質が結合するのかを知りやすくなります。

そして、インフルエンザの薬である「リレンザ」や「イナビル」は開発になんと30〜40年ほどかかっています。

なので、コロナウイルスの薬もそう簡単につくられないだろうという予想が一般的です。

Arctic Hare, Hare, Rabbit, White, Fur, Mammal, Wild

最後に

そう考えると、コロナウイルスの薬の開発を待つのは難しくなってくると思います。

なので、私たちが本来持つ免疫を高めるか、感染者そのものの数を減らすという対策が一般的でしょう。

しかし免疫というのも、コロナウイルスにかかってから生き延びた者だけが獲得できるものです。

ちょっと別の話になりますが、インフルエンザの集団免疫についてなかなか興味深い記事があったので共有しておきます。

インフルエンザ大流行。日本から失われた「集団免疫」とは?
30年前、小中学生の集団ワクチン接種で日本の社会にインフルへの免疫ができていた。

本来人間というのはそういった自然の脅威に晒されていたということを改めて僕は実感しています。

日頃から手洗いうがいをし、なるべく人混みを避けるようにしたいですね。

ちなみに、「人を殺すのはコロナウイルスよりも、それによる経済の暴落の方である。」という話をちらっと聞きましたが、ここから経済状況も不安ですね。

注意深く動向を見守っていこうと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました